2009年06月16日

動けない人

知り合いの訪問看護師さんが、言うんです。 「わたし、もうお呼びがかからないかもね!」って。 口を引きつらせて、彼女は話します。 体中に点滴をしている患者さんの担当になったこと。 そのかたは、何年も寝たきり状態。 動けないけど、意識は鮮明。 寝ているベッドの頭の辺りで、付き添いさんと話をしていたら、 「やめてくれ!」と言う。 そして、反対側の物をとろうとして、顔の上を横切り、手を伸ばすと、 「嫌だ!」と。 クーラーのスイッチがセンサーで切れると、「つけろ!」と。 周りの者は、まるっきり気がつかないのに、です。 とにかく、事細かくて、指示も多くて、看護師さん泣かせなんだそう。 「わたしには無理!もう行かないから!」 体が震えてます。 でも、分かってます。 「行かないから!」なんて言いながらも、きっと彼女は行くでしょう。 不安を口に出してしまえば、また行きますよ。プロですから。 話を聞いていると、「そうだなあ・・・・。気をつけなきゃ・・・・。」 と思うことがたくさんありました。 健康で動けている時は、嫌なことがあれば避けられるし、 少々のことだったら、我慢もできるでしょう。 でも、体の調子が悪くて思うようにならない時って、 人が喋っていたり、食べたりしている音が聞こえるだけでも、 うっとうしかったり、気持ちが悪くなったりします。 人の息がかかるだけでも嫌だし、触れられるだけでも嫌。 そんな時は、「この人は助けてくれる」という人だけに、身を預けられる。 そういう信頼感は、大丈夫、大丈夫なんて、いくら言っても、ダメ。 ふとした仕草や言葉、触れ方で感じとってしまう。 日常の生活で何気なく身につけてしまった仕草や言葉です。 この人は、今、どういう状態でいるのか、どう感じているのか、 想像力を働かせるのも必要でしょう。 会った時から生まれる信頼感もあるし、後から築かれる信頼感もあります。 逆に、後で壊れる場合もあるけれど、今回は、彼女の頑張りと患者さんの思いが 通じ合うことを願うばかりです。
posted by akane | Comment(0) | 日記
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