2011年01月07日

プリン様塊(かたまり)事件



昨日、Sさん宅に行った。

玄関で奥様と新年のあいさつをしていると、


ブフォ!


奥の部屋から、Sさんが吹き出す音がした。

Sさんの部屋に行くと、

あらら・・・

机に向かって座っているSさんの車椅子の左側のタイヤの下は、
白くにごった液体が溜まっていて、右側前には一握りほどのプルプルの
白い塊が落ちていた。

「何これ?」

よく見ると、少し黄色味がかって、うっすらと焦げ目がついたような、
表面はテカテカしトロンとしている。

奥さんが、「こんなもの食べさせたかしら?」と顔を近づけた。
わたしも、「なんでしょう?」と言いながら顔を寄せた。

「プリンみたいな・・・グラタンみたいな・・・ヨーグルト・・・ですか?」

「いえ、そんなのは食べさせてないです。今日は、パンを食べたけど・・・
 ほら、あの、まあるいテーブルロールというのを・・。」

奥さんがつまようじで「探索、探索・・・」と言いながら塊をつついた。

「あー、パン?かしら??
 あなた、もしかして、パンを飲み込む前にクスリも飲んだの?」

Sさんは、体を大きく右に倒したまま、グリッと目を上に向けた。
そして、人差し指と親指の先をくっつけて丸を作った。

Sさんは声が出ないのである。
口を開けるのも飲み込むのも困難で、食事に2時間もかかるのだ。

どうやら、パンを口にほおばったのはいいが飲み込めなくて、
水で流し込もうとしたらしい。
そこに、薬を投入。。。そして数時間。。。


「パンって、(口の中で時間が経つと)こうなるんや。。。。」

奥さんと目を見合わせた。



<追記>

本日の話題、ちょっとグロい。
奥様と本人のSさんが、とても明るい方なので、
こんなふうな書き方もできるが、医療の観点から見ると、
相当せっぱ詰まっている状態。
このままでは、Sさんは栄養も取れず、また、いつ誤嚥し、
危険な状態に陥るかも知れず。

以前、主治医に食事が取りにくくなっていることを相談したとき、
「チューブ入れますか?」と、即、返事が返ってきたという。
Sさんは、体や首、肩、顔面や口の中をマッサージし、
腹式呼吸、発声練習など20分ほどすれば、口も開くし、
かすれ声で奥さんの名前も喋れる能力を持っているのだ。

私がSさんに会ったのは3回目。それも2週間に1度の割合。
集中的に言語聴覚士による治療を受ければ、改善が期待できる。

私は、主治医にSさんの情報を伝え続ける。
体に目を向ける医師は多いが、食べる、喋る・・・
このことの治療に気を向ける医師はまだまだ少ないのが現状だ。



posted by akane | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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