2017年02月19日

過去ブログから〜その2「愛するあなたへ」


過去ブログから〜その1 に引き続き。

次は母の手紙です。

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昭和家族


「私と結婚して良かった?」

何故、あの時、口について出たのか分かりません。

春の日差しにまどろむ中で、ふと、あなたと出会った時の
あの暖かな気持ちが蘇ったからかもしれません。

あなたは思いもよらぬ顔をしたかと思うと、ポツリポツリと
話しかけて下さいましたね。
そこにいたのは、59年間、まるで「私の知らないあなた」でした。

私は、8人きょうだいの末っ子。
姉や兄たちから可愛がられ、自由奔放、甘えん坊で幼い時を過ごしました。

やがて戦争が始まると兄たちは出征し、二度と戻って来ませんでした。
優しい優しい兄たちでした。

母は、袴まで用意し、私に教師になることを勧めましたが、
私は、従軍看護婦になると決心していました。

けれども、思うようにはならない時代でしたね。

日本は負けました。
私の周りのりっぱな方々がたくさん亡くなられました。
戦争で私たちの夢は、青春は、狂いました。

私に残された生きる道は、結婚することでした。
様々なところから、縁談が来ました。
でも・・・・嫌で嫌で・・・・。
親不孝と知りながらも断り続けていたのです。

でも、ある日、あなたのとのお話。

不思議なものですね。その時だけは嫌だと感じなかったのです。
見たこともないあなたに・・・・・。

これが「縁」というものなのでしょうか。

結婚してからは幸せでした。

あなたは子どもたちの面倒もよくみてくれて、
私にも手紙をくださったり、いつも気遣ってくださいました。
私はずいぶんと、あなたに甘えさせていただきましたね。
だから、あなたが、そんなにもつらい思いをして生きていた
ことがあったなんて、思いもよりませんでした。
私は、気づいてあげられなかった。ごめんなさい。

10歳年上のあなた。
私は5歳年を取り、あなたは5歳若返るの。
お互い5歳ずつ歩み寄って、ちょうどいいのです。

もう長くはないでしょう。でも悲しくはありません。
みんなが元気で笑っています。

子どもたちの写真は、それぞれにすべて渡しました。
私自身の写真も、持っていません。
今あるのは、あなたの写真だけ。
あの日、私があなたから頂いた写真です。
あなたも持っていてくださったんですね。


幸せです。


母

   ※ 事実に基づいた、またまたあかねの妄想です。
     戦争で亡くなられた方々、今の日本を見たらどう思われるでしょうか?



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posted by akane | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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