2017年01月08日

2016年おくればせの総括1


昨年のまとめは、「父の死」を語ることなくして始まらない。

5月まで、わたしはこれからの人生を切り開くべく、
1年後の目標に向かって計画を進めていた。

3月の初めに、誰に言うでもなしひょっこり実家に立ち寄ると、
父が一人、留守番をしていた。
2年前から腎臓病が悪化し、自宅療養中。
足がゾウのようにパンパンにむくんでいたので、
リンパマッサージをしたら、いくらか引いた。
今から思えば、あれが最初で最後の二人だけで過ごした時間となった。

あの時の父は歩きにくくはなっていたものの、
会話のテンポも上半身の動きも変わったところがなく、
まだまだ数年は入退院を繰り返しながらも大丈夫、と、
わたしは何の根拠もない確信を持ち、帰ってきた。

5月半ば、検査を受けに行ったら結果が最悪、
そのまま入院することになったと、姉から電話あり。

嫁ぎ先が病院に近い姉が、毎日様子を見に行ってくれていたが、
なかなかむくみが取れず、困ったとメールも届いた。

6月初め、病院に見舞い。
上半身は起こしていたが、すでに歩くのがままならず。
勝手に一人で立つと転ぶから、と、ベッドわきの床にセンサーマットが敷いてあった。
マッサージや脚の運動をするとみるみる腫れが引き、
自分で曲げ伸ばしもできるようになった。
とにかく足を動かすよう伝えて帰ってきた。
(父は最後の最後まで、足先しか動かなくなっても動かそうとしていたそうだ。)

6月下旬、早くも療養病院への転院を勧められたと電話あり。
家族も姉もまだ置いてもらえると思っていたと、動揺を隠せない。
それよりなにより、父本人が相当ショックを受けたようだ。
転院先で「ここにいたら死んでしまう。」と、姉に漏らしたという。
一度きり、だったが。

7月初め、転院先の医師に先の長くないことを告げられた姉が、
あわててわたしを呼び出す。
12歳年上の姉が、右往左往しているのが電話の声でよく分かった。

行ってみると父はしっかり意識もあり、話もできた。
「どうしたん?」と、わたしを見る。
(なんや、まだまだ大丈夫やん・・・大げさやなぁ〜姉貴は。)

でも、97歳という年齢、いつ急変してもおかしくない。
電車を使っても帰るのに4時間もかかる場所に離れて暮らしていては、
どんなに急いで帰っても、死に目には遭えないだろう。
まだ大丈夫という気持ちはありつつも、心の奥で別れのあいさつをした。


「その日」は、毎年帰省する7月中旬の連休に来た。

実家に帰った折には、姉といっしょに父母の荷物のかたづけをする。
母も87歳、判断力、体力が衰え、
荷物はどんどん増えるのにかたづけができない。
義姉が一緒に住んでいるが、手が出せない。
その日も昼前から棚の整理をしていた。

昼過ぎ、父急変の知らせ。

義姉が先に病院に出発。
姉とわたしは散らかった荷物をとりあえず空いた棚の中に詰め込み、
野良仕事から帰った母がシャワーを浴びるのを待って、出発。

7月初めにすでに父との別れの儀式を済ましたわたしは、
驚くほど冷静であった。
病院に向かう車の中でも間に合うかどうかなど、
あせることもなく。

部屋に入ると父は顎を上下し、呼吸していた。

(生きてる!?お父さん!)

「もう、みんな遅いから、わたし一人やったらどうしようかと思ってた。」
と、義姉。


母が手を握り、皆がそれぞれ耳元で「ありがとう。」と言う。
父が頭をほんの少しコクッと動かした。

時々、ごくりと喉を鳴らすようにする父に
脱脂綿を水でぬらし、口元に付けると一瞬吸ったように感じた。

手が凍りついてゆく父。

兄が到着。
「おやじ!」と、声をかける。

その数分後、父はスーッと永遠の眠りについた。

呼吸は止まったが、看護師が言うには詰所の心電図モニターが
まだ波打っているという。

ドクターが、死亡宣告をしたのは10分以上も後だったろうか。


この出来事は「奇跡!」だった。

先にも書いたが、離れて暮らし始めた時から、
親の死に目には絶対遭えないと思っていた。

ところが、遭えたのだ!
こんなタイミングのいいことがあるんだろうか?
むしろ近くに住んでいる次兄が遭えなかった。

みんなが、わたし(あかね)を待っていたんじゃないか、と言う。

父は頑張ってくれたんだと思う。
親として最高のところを見せてくれた。

母や子どもたち、孫・・・
「こんなにたくさんの人に囲まれて逝った人は、いませんよ、
 おしあわせです。」
と、看護師さんもおっしゃってくださった。


「りっぱやったー、お父さん(^^)」

わたしは何人にもそう言いました。

(明日に続く)




posted by akane | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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